君のトナリ









〜蓮side〜


「香穂ちゃんお帰りなさい」

「美沙ママ!予定より早かったね♪」

「そうなの。一つ前の便が取れたから、乗っちゃった。これ、お土産よ〜」

「わーい♪かわいいvvママこれ欲しいって言ってたの覚えててくれたの?」

「当たり前じゃない。娘の言葉を忘れるはずないでしょ?」

「美沙ママ大好き」

「私も香穂ちゃん大好き」

抱きあう二人を俺は玄関先で傍観する

「あら、蓮もいたの?お帰りなさい。」


時々思う、この家の子どもは誰なのだろうと…



「きゃぁぁっ!香穂ちゃん!その足はどうしたの??」

「さっきね、捻挫しちゃったんだ」

「大変!救急車!」

「ママ大丈夫だから!捻挫で呼んだら救命士さんに怒られちゃうから。」

香穂子に対して俺以上の過保護が、この俺の母さんだ…


初めて家に連れて行った時から気に入り、香穂子を娘として可愛がってる
香穂子も母さんのことが好きみたいで、母さんがオフの日は二人で買い物やら映画やら遊びに行っている
普段からメールのやり取りを頻繁に行っていて、
海外にいても通じるようにと香穂子に携帯やらパソコンやらを買い与えた
(時々俺の行動の一部始終も香穂子によって知らされている)


極めつけはこの、お土産の山だ…
香穂子に似合うと言っては山のように服やら靴やらバッグやらを買ってくる

香穂子が部屋に入らないから、こんなにいらないと言ったら
何を思ったのか家に香穂子専用クローゼットを作りだした…

とにかく香穂子を溺愛している


家族が自分のす…好きな子を溺愛するっていうのも少し複雑だ///


「なんだーママが早く帰ってくるなら、明日の映画のチケット取っておくんだったな。
 行けないと思って友達に譲っちゃったの…」

「ごめんね。じゃ明日はママと六本木ヒルズに行かない?
 おいしいケーキの店があるんだって」

「そうなの?行く!捻挫したから部活もできないし♪蓮くんも行くでしょ?」

「いや…俺は甘いものは…」

「だから男の子はイヤなのよ〜蓮も甘いものぐらい食べなさい!男なら!」


母さんの言っていることは時々意味がわからない…

「じゃあ、ママが帰ってきた記念に香穂子が一曲弾きま〜す」


そう言って香穂子は「仔犬のワルツ」を弾く


そうなんだ…ここにいる時はこんな風に弾けるのに…楽しそうに…
昔と変わらないピアノを好きだという気持ちで弾けるのに

香穂子…

仔犬のワルツを聴いているのに俺の心の中は浮かなかった


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<あとがき>
魚月的に、アニメでの月森ママの「やっぱりね」ってトコが萌えポイントでした♪
それに「えっ///」って動揺する蓮くん……イイっ☆
なので香穂ちゃんと蓮くんの中に絡めてみました。
何気にいらない場面だったらすいません(><)


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