〜香穂子side〜
私はチアリーディング部に入ってる
本当はバスケ部にしようかと思ってたんだけど、突き指するからと蓮くんに反対された
蓮くんは私のピアノを好きでいてくれている
私もできることならピアノをまた弾きたい
でも……私はピアノを弾くのが怖い
大好きな美沙ママにまで迷惑をかけてしまった
私が弾くことで誰かに迷惑なんてもうかけたくない…
「香穂子〜!始めるよ?」
「うんっ」
体を動かすのは楽しい。チアでこうして音楽にも携われてるし、やっぱり…音楽は好きなんだよね
「おーい…ボール取ってくれないか?」
ふと見るとサッカーボールが転がっていた
「行くよ〜」
と蹴ろうとしたんだけど、私は見事に空振りしてコケてしまった
周囲が笑いに包まれる…めちゃめちゃ恥ずかしい///
「悪い。お前、チア部のくせに運動神経ないんだな」
背の高い男の子が苦笑しながら手を差し伸べてくれた
「チアとサッカーは関係ないもん///」
その手を取って立ち上がり、改めてその男の子を見る
背も高いけど肩幅とかも広いし、日に焼けた健康的な肌に少しドキッとする
「じゃーな」
と後ろ手を振りながら、グランドに消えていく
「香穂子、ラッキーだね〜今の土浦くんだよっ!」
「土浦くん?」
同じクラスでチア部の理奈が話しかけてくる
「やだ…知らないの?5組の土浦梁太郎くん。
硬派であんま女子と話してくれないんだから。手まで握ってもらっちゃってさ〜
コケて良かったじゃん!」
「いや、狙ってコケたわけじゃないんだけど…」
「とにかくケガの功名ってヤツじゃない?これで土浦くんとお近づきに…って、
でも香穂子には王子様がいるから関係ないか…。」
「王子様って?」
「何言ってんのよ。音楽科の王子様に決まってるじゃない♪もう登下校も一緒で常にラブラブじゃん」
「あー蓮くんのこと?蓮くんとはラブラブなわけじゃないよ。幼馴染だから。」
「いーっていーって。謙遜しなくても。音楽科でもらしいけど、普通科でも何気に噂になってるよ〜
王子様って誰に対しても冷たいのにってさ〜」
「………そう。」
私は理奈に対して何も言えなくなってしまった。
蓮くんは冷たいって思われちゃってることが、ひどく悲しかったから…
「あ、噂をすればお出迎えだよ♪」
理奈の指さす方を見ると蓮くんと目が合う
私にしか見せない笑顔でほほ笑む蓮くん
そう蓮くんはこんなに優しく笑えるのにな…
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<あとがき>
さぁ、「進展ないじゃん!」と思われましたか?あの事件もまだ明らかになってませんしね♪
しかーし彼との接触がありましたよ〜
魚月が香穂ちゃんをピアノにした理由、少しずつわかってきていただけたのでは?うふふ〜
「続きが気になる」という感想を頂いたので、急ぎ上げてみました☆
次回から少しづつ事件が明らかになります。
だけど読者様を焦らしちゃうかも。その時は「魚月も悪よのぅ…」とお思いください。
魚月も読者様に黄金小判並の貢ぎの内容をお届けいたします♪
感想や拍手を頂いた方々、ありがとうございました。
すごい励みになります。そして漏れなくそのジャンルが増えていきます(笑)
これからも応援よろしくお願いしますm(_ _)m