君のトナリ












〜香穂子side〜




私は柚木先輩に言われたことを考えてみた

確かにそうだ
理奈も蓮くんと私が恋人同士だと思ってたし
これじゃ蓮くんに彼女ができなくなっちゃうよね

そういえば…蓮くんって彼女いたことないじゃん
まぁ私もなんだけど

もしかすると、それも私のせいかもしれない

ほら、彼女だと思って告白できなかったみたいな?


自己完結させると、私は一人で帰路についた





「香穂子、入っても良いか?」

「どうぞ」

珍しく、蓮くんが私の部屋にきた



「今日、先に行ったことすまなかった…ただ…練習がしたかったんだ
 道で危険な目に合わなかっただろうか?」

「大丈夫。土浦くんと一緒だったから。また助けてもらった。」

「……土浦と?」

蓮くんが眉を顰める



あれ?と思ったけど本題を切り出さなきゃ

「もう登下校も一緒にしない方が良いんじゃないかな?」

「………なぜ?」

「だってずっと一緒って何か変じゃない?」

「そうだろうか?俺は君が傍にいれば良い…いや傍にいて欲しい」


こういう言葉が他の人から聞いて誤解を生むんだろうなと
柚木先輩の言葉を思い出しながら私は言葉を続けた


「蓮くん、そういうセリフは“彼女”に言わなきゃダメだよ
 音楽科でも、私が蓮くんの彼女になってたんだけど。」



蓮くんが一層不快な表情になる


「……………だから?」

「えっ?だから、誤解されるようなことしちゃダメってこと。私たちは姉弟みたいなもんだし。」

「…………姉弟?君は俺の姉じゃない」

「それはわかってるよ。だけど、私たちは恋人じゃないでしょ
 他の人から誤解されるようなことは止めようってこと」

「他の人?土浦に誤解されたくないだけなんじゃないのか?」

「ちっ違うよ…確かに土浦くんに抱きしめられた時はすごいドキドキしたけど
 蓮くんとは違くて…」

「俺と違う?土浦にはドキドキして俺にはしないってことか?」

「だって蓮くんとは昔っから…ってきゃっ」


蓮くんに床に押し倒される
すごい力で

「土浦は男に見えて俺は男に見えないのか!」

蓮くんに初めて怒鳴られた…
そして私が着ていた服がビリッと破かれ下着が露わになる

「俺だって男だ…ずっと君を女の子として見てきた…君にどんなことだってできる」

蓮くんに唇を塞がれる
小さい時、蓮くんとしていたのとは全然違う

蓮くんに素肌を触られて…すごく怖い

こんなの蓮くんじゃない

「やめて…蓮くん怖い…」

私は恐怖のあまり涙声で訴えた

「好きだ…ずっと君が好きだった…」

私の頬に自分のものじゃない涙が落ちてくる


蓮くんは私から離れて背を向けるとこう言った



「君は…嘘をついた…他の男とは話さないと約束したのに……
 俺の伴奏もやめてくれ!」


「蓮くんっ!」



そのまま蓮くんは帰ってしまった

こんな蓮くんは初めてみた…

蓮くんが私を好き?

女の子として見てた?


自分の中が混乱する

ただわかるのは、私が蓮くんを傷つけてしまったということだけだった













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<あとがき>
きゃーーーーーーーーーーーvv蓮くんさいこーーーー!!妄想さいこーーー!
カッコイイっvv好きっ!好きっ!(←落ち付いて?)
ぜーはーーーす…すれ違った二人の気持ち、次回へ続くぅ!





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