マイ・フェア・レディ




いったい何だったんだろう

突然うるさいと言われて
唇を塞がれて
てゆーか今の何?

私の頭の中では“?”がいっぱいだ



「何なの!その方は!!」

雅ちゃんの美しい顔が怒りに震える

「うるさいと言ってキスするなんて許せないわ!
 しかもその後すぐに帰ったって一体どういうことなの!!
 女の子にとって大切なものなのに」

あぁ…そんな重要だったんだ…
そういうのに疎い私には何が何だか…

「で、香穂子ちゃんはその方のことを
 どう思っているの?」

「え…どうって…?」

「ですから!好きなの?」

「うーーん、好きと言ったら好きなんだろうけど
 何気に面倒見が良いし」
「その好きではなくて、男性として好きなの?」
「男性として…?」
そんな風にってゆーかそれって
どんな風なんだろう

私は黙りこくってしまった
雅ちゃんは気を遣ってそれ以上は
何も追及しないでくれた

わからない…
正直、梓馬は綺麗だし
何でもできるし

憧れるけど…
それって違うのかなぁ…

うーーーん

ま、いっか


そのうち、わかる時がくるだろうと
私は普段と変わらず梓馬とのいつもの場所に向かった


だけど一向に梓馬は現れなかった




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