マイ・フェア・レディ












梓馬…一体どうしちゃったんだろう……

梓馬がおかしい

私のこと、カラダしか好きじゃないの?

前みたく作品のこととか音楽のこととか…
たわいもない話をすることもなくなって
会えばすぐえっちばかりして…

私はそんなんじゃ嬉しくないよ…


梓馬こそ私のことを本当に愛してるの?



私の中はこの渦でいっぱいだった。

前の授業…担任の授業だった…
きっと怒られるだろうな

私は梓馬みたく上手く立ち回れないから



憂鬱な気分でHRに行くと担任は怒るどころか私を心配してきた


「日野さん、貧血で倒れたんですって?もう起き上がって平気なの?」

「えっ…はぁ……」

私は曖昧な返事をすると席についた


「君が授業になっても来ないので、どうしたのかと聞かれた。
 嘘はあまりよくないと思うが、練習室に入っていくのを見かけたから…
 音楽に真摯に向き合う態度を俺は否定はしない…
 だが、こういうことはもう止めてくれ。
 作家の勉強をすることも大事なことだ。
 それに俺は良い言い訳ができない。」

月森くんは荷物をまとめながら淡々と説明した


「……ありがとう」



月森くんの言葉は嬉しかった

だけど私は練習室でヴァイオリンを弾いていたわけではない
そう思うと彼に対してものすごい罪悪感が生まれてくる


梓馬を愛してる…だから梓馬に何をされても構わない……


だけど、こんなことの繰り返しで良いの?
でも、だからと言ってどうしたら良いの?


梓馬は私を愛しているから求めるという


梓馬のことが好きなのに……

私にこの状況からの打開策なんて浮かばなかった











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<あとがき>
波乱の展開になってきました。さすがドロドロ好き;





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