マイ・フェア・レディ
さっきから香穂子は俺に背を向けたままだ
「香穂子…」
白い首筋に背中に口づける
だが、香穂子は頭まで布団を被って泣きやまない
まだ早かったか…
だけど俺は自分を抑えられなかった
魅力的になっていく彼女への感情を止められなかった
こいつの泣き顔を初めて見た…
罪悪感とともに
とても艶っぽくて可愛いと思ったのも事実だ
絶対に誰にも見せたくない
この白い肌を…
色っぽい表情を…
こいつは俺だけの女だ
胸が熱くなって力強く彼女を抱きしめた
「学校が終わったらすぐ来るから」
そう言って梓馬は帰って行った
昨日は泊まって行ったけど
家への言い訳はどうするんだろう
確か厳しい家だって雅ちゃんも言っていたし
ぼんやりとそう考える
一体あれは何…?
私はどうしてしまったんだろう
梓馬から与えられる刺激が気持ち良くて
頭が変になりそうで
なんか変な声を出してしまっていた…
「やぁ…ん…ぁ…っ」
昨日の自分の声を思い出す
自分が嫌だ…
無性に恥ずかしくなって泣けてくる
自分が汚れた生き物になったみたいだ
脚を伝った血と液体が何よりもそれを証明している
私が私じゃなくなったの…?
あれは…
あれはイケナイことだ…
それに昨日の梓馬は梓馬じゃないみたいで…
怖かった…
今までは兄妹みたいなそんな存在だったのに
――お前に男を教えてやる――
あれがそういうことなのかな…
こんなこと…別に教えて欲しくなかった
梓馬とずっと今までの関係でいたかったのに…
穢れた私の瞳から涙が溢れて止まらなかった
「香穂子、いつまでそうしてる気なんだよ…」
学校が終わって直行したが相変わらず頭から布団を被ったままだ
「帰ってよ!」
「いやだね」
「帰って!何であんなことするの?もう顔も見たくない!」
香穂子が涙声で訴える
「……好きだからだよ」
俺は言葉を続けた
「お前がどんどん綺麗になっていって自分の感情が抑えられなくなった
お前の感触を…お前のぬくもりをもっと感じたいと思った
だから嫌がるお前を無理やり抱いた
心の準備が出来てないお前を抱いたことは悪かったと思う
だけど、抱いたことは謝らない
後にも先にもお前に触れて良いのはこの俺だけって決まってるからな…」
そっと布団をとる
泣き腫らした瞳が痛々しい…
香穂子を優しく抱きしめた
なんて相変わらず俺様なんだろう!
だけど今のセリフ…嬉しい
私…梓馬のこと
梓馬のことが男の人として好きなんだ…
今までの色んな疑問はすっと解決した気がした
近くにいすぎたから梓馬がかっこいい男性だってこと
男の人だってこと見落としていたのかもしれない
「梓馬…私…変わった?あんなことして…」
梓馬は私を優しく抱きしめる
「変わったとしたら、もっと綺麗になったよ。
だってこんなイイ男に抱かれたんだから。」
彼は口の端をあげて、ほほ笑む
やっぱりどこまでも俺様だ…
だけど…
私の前でしか見せないこの俺様に愛されて
嬉しいのは本当
私は俺様に極上の笑顔で返事した
************************************
<あとがき>
えと…一応表なので細かい裏的な文はやめてみました。
一応、書き上げたのですが、裏もあげた方が良かったですか??
みなさんどう思ってるのかな?と思って。何気に読者主体。
希望者多かったら、裏ページとして新たに作ることも視野に入れています。
最近、蓮くん話よりも異様な追い上げを見せる柚木さまリク。
反応いただけるのは嬉しい限り♪今後ともよろしくです☆
次へ
前へ
|