香穂子の音が聴こえる
俺は屋上へと続く階段を上がりだす
たぶん、あいつはこう言うだろう…
『私は先輩じゃなきゃダメです』
もしくは
『月森くんに軽蔑された目で見られました』
どちらにしても退屈だね…
まぁ…面白いじゃないか…
俺に縋る様を見せてもらおうか
屋上の扉を開けるとヴァイオリンを構えたままの香穂子が
こちらを向いた
「今日も素晴らしい演奏だね…日野さん」
にっこりと仮面の笑顔を見せてやると
うなだれたように弦を下ろした
――フッ…所詮、失敗したか
「元気がないみたいだけど…どうかしたの?
もしかして…約束でも破ってしまったのかな?僕とのね」
下を見つめたままで、呟くように香穂子が答えた
「……先輩との約束は守りました。
ちゃんと月森くんと寝ました」
俺は香穂子の言葉を理解できなかった…
まさか…月森が…
一応予想はしていたものの、実際に突きつけられると…
「おまえ…どういうつもりだよ…?」
「なっ…なにがですか?先輩の命令通りですよ?」
「………ムカつくんだよ」
俺はそのまま屋上の階段を上るとボイラー室へと香穂子を連れ込んだ
「先輩…?」
「お前…ムカつくんだよ…」
制服を乱れさせて 有無を言わせず香穂子のスカートに手を入れて
下着をずらし落とした
「や…どうしたんですか!?」
香穂子の質問には無視をして俺は何もせずに楔を打ち込む
彼女が悲痛に啼く声も俺をイラつかせるものでしかない
「月森にもこんな姿を見せたのか!
こんな風に啼いてみせたのか?」
「っ…せんぱい…っ…ちゃんと愛してくれるって言ったのに」
「愛してやってるだろう?
俺の欲望をお前の中に放ってやる…ちゃんと受け止めろ」
なにが俺をこんなに狂わせるのか
何故、無性に腹が立つのか
俺にはわからなかった
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<あとがき>
自分で言ったことなのに何故かイラつく柚木さま
ホントはそうなっても別に関係ないハズだったのに
自分の中での矛盾を感じています
そして…勝手にボイラー室を制作…; いや〜さすがにまるっきり外ってイヤかなと思いまして
とゆーか、すいません!