ふふっ…大の男が一人の女に夢中とはね…
まったく面白いよね…
そう…こういう時は愉しむに限ると思わないか?
なぜって…
その一人の女は
俺に夢中なのだから
「せんぱい…先輩が好きです…///」
「お前さ、それしか言えないの?もう聞き飽きたよ」
昼下がりの屋上で情事を重ねる俺と一人の女
――日野香穂子――
ただウザくて本性を見せた
それがこいつにとっては更に俺を意識せざるを得なくなってしまったようだ…
「お前ってMなんじゃないの?」
「…そうかも…でも先輩のことが好きだから…」
「だからさ、もう好きは飽きたよ…好きならさ、もっと俺を満足させるんだな」
俺は着衣を整えるとすがる香穂子を放って一人、屋上を後にする
正直、香穂子がこんなに俺に夢中になるとは思っていなかった
優等生の俺に憧れを抱いていた感はある
何かと質問をしてきたり――そう他の女みたいにね…
俺の隠れた部分を見せれば、裏切られたと離れて、コンクールすらも辞退すると思っていたのに
離れるどころか、どんどん近付いてきて俺を好きだって言ってきた
だから抱いてやった
だって可愛いだろう?俺に否定されるとこの世の終わりみたいな瞳をするんだから
俺が全てって感じで、俺にメロメロだ
だから可愛がってやる
だけどそれだけじゃない
あいつには面白い付加価値がついてきたんだから
コンクール参加者たちの存在だ
火原や土浦は以前から好意を持っているみたいだけど志水も最近では懐いてきてる
もっと面白いのは、あの月森蓮だ
他人には―いや、音楽以外には全く興味がなかったあいつが 香穂子に対して淡い感情を抱いていること、俺がわからないはずがない
本当に面白くなってきた…
さぁ…ゲームを始めるかな…
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<あとがき>
お〜〜〜っ。いよいよ書いてしまいます。いいのか許されるのか??
何げに少し実体験に基づきます(ここまでロマンチックじゃないし、すぐ終わりましたが)
柚木さまが仕掛けるゲーム…わかりますか?