お花見








「蓮くーんこっちこっち!」


今日は香穂子と花見に来ている

彼女いわく、“お花見しなきゃ日本人じゃない!”だそうで…

俺としては部屋で彼女と二人きりで過ごしたかったが、
こうして香穂子の笑顔が見られたことは嬉しい


「天気も良いし、やっぱり来て良かったね〜♪」

「あぁ…そうだな」


そして「はい」と桜色したものを渡される

「………なんだろうか?」

「え?桜餅だよ。お花見ときたら甘いもの!定番でしょ。
 大丈夫。ちゃんと甘さ控えめにしてくださいってお店の人に頼んだからね」

とびっきりの君の笑顔に微笑まれて俺が断れるわけもなく…

「い…いただきます」


やはり甘い…香穂子はこんな甘いものを…しかも何個も食べているが
よく平気なものだ


「やっぱり苦手だった?」

「あぁ…俺はやはり甘いものはダメだな」

「そっか…ごめんね」

香穂子が申し訳なさそうな顔になる

「いや…君が俺のことを考えて選んでくれたのに…すまない」


香穂子が好きな甘いもの…なんとかして好きになりたい


俺は香穂子の桜色の唇に口づける



「れ…蓮くん///」


「甘い…君の唇は甘いな…俺はこの甘さが一番好きだよ」


香穂子の頬があっという間に桜色に染まると俺から顔を逸らす


「今、見ないで///」

俺は香穂子の顔をこちらに向かせると瞳を見つめてこう囁いた



「お花見しなきゃ日本人じゃないと言ったのは君だ…今、君は桜色だよ」








*****************************************************************************
<あとがき>
4月最初に書いて上げ忘れていました(><)
ちょい時期過ぎちゃいましたけど、胸きゅんして頂ければ幸いです〜