恋の秘薬











今日は先輩の誕生日。

親衛隊やらファンやら…かなりの敵が多いけど

やっぱり彼女である私がきちんとお祝いしなきゃ!!


変な使命感に駆られてる私がいるのは星奏学院の家庭科室。

焼きたてのケーキな〜んて確実に他と差をつけてるよね♪

我ながら、良いアイディア☆


でも、それだけじゃないんだ。

なんとファーターショップから秘密の薬をゲットしてきたんだから☆


時間がなかったからよく説明聞いてなかったけど、
リリが言ってたのは、


「きっとお前が喜ぶことなのだ〜」


ってことだし。


私が喜ぶことって言ったら柚木先輩に褒められて…それで…

きゃーーーvv

やっぱり、先輩でもたまには、好きだよとかストレートに言ってくれるのかな??


どうしよう…それでそれで、キスなんてなっちゃったら…

学校で??


誰かに見られたら困るよ〜〜〜っ///

でも先輩だったらあり得るのかな??

いつも強引だし、でも、キスの時の先輩ってとっても優しいんだよね///


もうっ///私ったら何考えてるのよ///
集中!集中!!



やっとのことでラッピングして柚木先輩に渡す


「お前…今まで何やってたんだよ?
 待たせられたせいで、俺がどんだけの煩わしい思いをしたかわかってるのか…?」


うわっ…すっごいご機嫌斜めなんだけど…


「先輩に作りたてを食べてもらいたかったから、今作ってました。」


先輩が珍しく口をポカンと開けている


「バカ?俺の待ち時間とかは考慮に入れてないわけ?」


「う……すいません…」


「本当にバカだね?だけど…バカが付くほどお前はかわいいよ…」


先輩に頬にキスされた

そこから熱が広がっていく


「は…早く食べてくださいよっ///」


真っ赤になっている私を見て先輩が笑う

「まだ慣れないの?いい加減、キスぐらい慣れろよ」


無理な話だ!!

ただでさえカッコイイ先輩に近くにいられるだけでもドキドキするんだから
キスされるなんて…もっとドキドキする


「なぁ…お前、分量間違ったんじゃないか?変な味がする。」

いつの間にか蓋を開けた先輩がケーキを食べ始めている


「間違ってませんよ!
 ちゃんと本通りだし、リリからもらった薬をいれたのはその本に載ってなかったですけど」


本に目を移してから、再び先輩の方を見る


「あれ…?先輩?」


「なんだよ?」


声がする方に視線を落とすと




「え?え?え〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!」



だってそこにいるのは見るからに小学生ぐらいの先輩!!!




「どうなってるの!?」


「それは俺が聞きたいんだけど…?」


パニック状態の私とは正反対に落ち着いてる先輩

何でこんな状況にも関わらず先輩は冷静なんだろう



「とっとっとにかく!!リリに何の薬か聞いてきます!!」


「……その前にお前、何かもわからないで彼氏に渡す食べ物に入れたんだな?」


小さい先輩からの冷たい視線を痛いほどに感じながら
私はリリの店へとダッシュした


「何をやっているのだ〜〜っ!あれは若返りの薬なのだ!
 我輩が1.2滴と言っていたのをお前は聞いていなかったのだな!!」


既にボトルの半分ぐらいを使ってしまった

「しょうがないじゃん!リリが私が喜ぶことだっていうから
 色んな妄想しながら作っちゃってたんだもん!!」

逆ギレしだした私にリリもプンプン顔だ


「そんなこと知らないのだ!それより柚木梓馬が治る方法を調べておく!
 もしかすると、このまま年を重ねていくことになるかもしれないのだ!」



私は思わず絶句した



「どうだったんだよ?いつ戻るんだよ?」


「……えと、まだ考え中みたいで」

「つまり、わかんないってことか?」

「う……」


私はたまらなくなって小さい先輩を思いっきり抱きしめた


「先輩っ!私は先輩がどんなに変わってもずっと先輩が好きです!
 これから、何歳の先輩の誕生日もずっと…ずっと…私がお祝いします…
 先輩をこうした責任はずっと私が取ります!」


「ぷっ」


「そんな笑うことないじゃないですか!///」


「それってプロポーズ?」


「どう取ってもらっても構いません!///」


「じゃあさ…誓いのキスしろよ?」


小さい先輩が目を閉じる


幼くても…すごく綺麗な先輩だけど…いつもより平気かな///



先輩の唇にそっと重ね合わせて

いつも先輩がしてくれるように角度を変えて何度も重ね合わせる


「ふ〜ん…子ども相手だと結構大胆なんだなお前」

目を開けた時はもう普通の先輩で…


「え!?」

「お前もリリもせっかちだよな…?この瓶に効用時間30分って書いてあるぜ?」

先輩から瓶を奪い取って見る


「ほ…ほんとだ…って何で教えてくれなかったんですか!!
 私、すっごい焦ったんですよ!!」


「なぜ俺が怒られる…?被害者は俺の方だろう?」


う……。ご…ごもっとも



しょんぼりしてる私に先輩が近づくと耳元でこう囁いた


「キスも慣れたことだし、それ以上にも慣れるだろ…?
 お前は俺の婚約者なんだから」


妄想以上の甘い先輩の言葉に私は幸せで仕方なくなった


これからもずっと傍にいます…


大好きな先輩の傍に










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<あとがき>
これ書き下ろしです。製作時間30分……至らぬ点が多々ありますが…
柚木さまバースディに間に合わせたく頑張りましたぁ☆
柚木さまおめでとうっ♪