星に願いを








ダルいったらしょうがない…

模擬試験で全国1位になった俺は
学院ではチヤホヤされ、家では兄たちの不興を買ったり…



『梓馬さん、あなたは兄たちを補佐していくのですよ』


フッ…わかってますよ…



なんだってこう…心安らぐ場所ってのが

俺にはないんだろうな…


馬鹿馬鹿しい…こんな感傷に浸ることすら


もう感情なんてとっくに捨てたはずだろう…?






「あ、柚木先輩、こちらにいらしたんですね」


また、俺をイラつかせる要因がやってきた


「なに?いちゃ悪いわけ?」

「そんなこと言ってないじゃないですか;;
 ご機嫌ナナメなんですね;;」

「あぁ、そうだよ。お前のバカな頭でもわかるように、すごく機嫌が悪い
 お前、俺に付き合え」


日野の「えっ??」という言葉を無視して俺は日野を車に乗せる




「どちらに行くんですか?」

「今日は七夕だろ…?気分転換に星でも見ようと思ってね」




日野を連れてきたのは臨海公園



「先輩、流れ星がいっぱいですよ♪
 えーと、素敵な彼氏ができますように☆」

「お前…ガキじゃあるまいし、願い事なんかするなよ…」

「良いじゃないですか。信じたもの勝ちですよ!
 織姫と彦星が絶対に叶えてくれますって」

「お前は良いな…バカみたいに気楽で…」


バカみたいに気楽そうだから…

そんなお前に癒やされてる自分
そんなお前が誰かといるだけでイラつく自分


俺をそんな風に思わせるお前が腹立たしいよ…


お前の前では俺はいつも感情を出してしまう


「先輩はお願い事しないんですか?」

日野が俺の方を向いて尋ねた

「しないね。一瞬にして消える流れ星なんかに俺の願いを託せるか…
 それに星よりも俺の方がお前の願いを叶えてやれるよ」


日野がきょとんとした顔をする


「マヌケな顔」

そういうと俺は日野に口づけた


「…お前の彼氏になってやる。どうだ?願いが叶った感想は?」





俺は星には願いを託さない

俺の願いを叶えてくれるのもお前だけだから









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<あとがき>
俺様柚木さまは素敵ぃ☆なんで、彼の俺様にはここまでハマってしまうのだろう…
やっぱりキザでもあるからだろうなvvと結論ずけた魚月☆
とにかく、柚木らぶvv
にぐんおねーさまに、「七夕に何かしないの〜?」と聞かれ便乗してみました