音楽が好きだ…だけど好きだけじゃできないことだってあるんだよ



僕の女神








僕はヴァイオリンを習っていた…
小さい頃はただ楽しいそれで良かったんだ
だけど好きじゃどうしても乗り越えられないものがある


音の魅力だ…


僕にはそれが備わってない…
自分でわかる


先生たちがお世辞で褒めたってちっとも嬉しくない



もうヴァイオリンには関わりたくない

そう僕は挫折したんだ




だけど、そんな挫折なんて隠したくて
誰の前でも明るくふるまう

ヴァイオリンなんて別に嗜みの一つだったんだよってね


「女の子にモテるかと思ってやってたんだけどさ、やっぱりギターの方が良いのかな」


友人に聞かれて、そうおどけて見せる僕はひどく滑稽だね…



僕は友人に言わせると男前らしい
だからそういうの目当てに寄ってくる女の子はいっぱいいる

どうすれば女の子が喜ぶかなんて大体わかる

練習がなくなって空いた時間を埋めるのにちょうど良い



だけど…どうしてかな…

空いた時間は埋められても空しい心は埋められないんだ




♪〜〜〜〜〜〜〜


――今、音が聴こえた…

――間違えるはずがない…これは

――これはヴァイオリンだ



僕は音のする方に足を運ぶ




そこでは一人の女の子が楽しそうにヴァイオリンを弾いていた


僕の心を惹きつけてやまない音色



演奏が終わると彼女はヴァイオリンにほほ笑みかける





――あ…ヴァイオリンが好きなんだな…





僕が実現できなかったことを実現してる彼女


彼女の朱色の髪が夕陽と溶け込んで一体となる

まるで神々しい光を放っているようだ…

音楽の女神は彼女にほほ笑みかけた



音楽は好きだっていう者を裏切らなかった




君を探してみせるよ…


君は僕の女神だから




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<あとがき>
好きだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
加地くん、あなたはどこまで魚月のストライクなのですか?
今、超金欠でゲットできないのですが、必ずゲットしてみせる!!
加地くん情報教えてくださる方もお待ちしてます!
そして、ココ設定と違う!などもご指摘くださいませ。